アイドルに必要なものについて考えてみました。

ずっと前にどこかで「山口百恵があれほど売れたのは体が丈夫だったから」という話を読みました。それでなくともちゃんと忙しかったであろう山口百恵が、他の人の穴を埋められるくらいにフル回転で働いていたというのだから、体が丈夫以外の何ものでもないし、お願いする側としてもそういう人がいるとどうしても頼ってしまいたくなる。そうすると露出は増えるしその状況を推し量ってみんなは彼女こそが今一番ホットな人なのだと思う。もちろん、たとえばカリスマ性とかスター性みたいなものがあったのだろうけど、それにしてもだ。

私はたびたびアイドルに必要なものは何かと考えて、何かにつけてえらそうに「アイドルにもっとも必要なのは体力」という持論を展開しています。

 「家族のサポート」、大切ですね。どういう形かは置いておいて、大人が少数のひとりひとりを大事大事にしてくれるわけじゃない今の時代にはこれがないとなかなか大変かも知れない。
ブログに出てきた前田敦子の家の朝ごはんがすごい豪華だったとか、佐々木莉佳子が家で握ってもらったおにぎりを新幹線食べてるなんて話とか、迎えにきてくれた親の車に乗り込んだ鈴木愛理が気づいたら別の家の車に乗ってたとか、全部いい話。

体力体力と言ってきましたが、「気力」も大事です。でもこれはたぶん体力に含まれるしそういう意味合いで「体力」を使っています。
そのベクトルは自由だけど、なんらかの「努力」がゼロだとむずかしい。それより前にちょっとした「素養」があると確実にどこかで勝てる。ダンスがうまい歌がうまいだけじゃなくて、MCでおもしろいこと言ってやろうとずっと考えてられるとか、忙しくても全然平気とか明日の予定がよくわかっていなくても気にならないとかあんまりくよくよ悩まない、あるいは悩むときは底を突くまでいって戻ってこれるとか、友だちを作るのが得意で人から好かれやすいとか、そういうことも含まれると思います。

どこかのえらい人が「運は人柄」と言っていました。本当にたまたまなんてことはほとんどなくて、たぶんその人の人柄だったり努力だったり気遣いだったり何ものにも影響されない無重力的な強さみたいなものが運を引き寄せるんじゃないかな。
リリイベのとき百田夏菜子が「今日これからどこ行くの?これで終わり?」とマネージャーに聞いてた話とか、鈍感だなと思う前にタフだなと思いませんか。この圧倒的な強さは何かを引き寄せるでしょう。
人望がありすぎるくらいあった大島優子なんかは、きっと良くしてあげた人にツキを運んできてもらっていたと思います。

 これは、映画『幕が上がる』を見て感激したあとのツイートです。ももクロを見ていて自然に「素直な心」と「力いっぱい楽しむ気持ち」というワードが出てきたのだと思います。
こうだったらいいなあと私がアイドルに抱く理想の原形が、私が見ていた頃のももクロにはありました(今はないという意味ではなく、今は見ていないので確認できていないということです)。
スポーツできる人文脈の「集中力」みたいなものに対する憧れが強いので、きっとこれも百田夏菜子を見ていて出てきた言葉でしょう。矢島舞美にも感じるスポーティーでヘルシーな集中力は、私がアイドルに知らず知らず求めている条件のひとつなのかも知れません。

「気力」は体力に含まれると言いながら、「やりぬく気合い」という新しい表現が加わっています。何か思うところがあったのでしょうか、いや、あったんでしょうきっと。
「やりぬく」というのが、「つづける」という意味ではないというのはなんとなく思っています。ただつづければいいというのではなく、なんだろうな、今ある目の前のことを精一杯やってまっとうしているということなのかな。でも、目の前のことに終始してたらまたちがうなとも思うのだけれど。

分かっているのは、私の目には「健気」にうつるということです。やりぬいてるな→健気だな、となります。隅っこでがんばってるなとか歌のパートがなくても全力だなとかいうことじゃなく、自らの場所―それがセンターであってもなくてもパートが少なくても多くてもうまくてもへたでも―でそれをまっとうしている美しさに惹かれると自己分析しています。
対極にあるのは、センターならセンターなりのとか隅っこなら隅っこなりのとかいったポジショニングかも知れません。そうか、「与えられた場所でがんばっている」というのと対極と言えばいいのか。

知らんがな!
場所は自分で作るんじゃい!価値も自分で作るんじゃい!
この気力こそが、アイドルに必要な体力に含まれるマインドの部分だと思います。

「アイドル性は『存在』の工程」と言ったのは振付師・竹中夏海先生ですが、まさにそう。
「存在感」を自分で作っていける人が、これからはきっと報われていくんじゃないでしょうか(かなり私の希望が入っています)。

つんくちゃんで言い換えると「私がここにいます」(『青春シンフォニー』)ということですね。

今ものすごい勢いで「私がここにいます」というパワーを私に届けてくれている人がいます。
アンジュルム・川村文乃さんです。あまりよくわかっていないのですが、ライブ、Twitter、ブログ、人づてに聞こえてくるエピソード、すべてが私に訴えかけてきます。

アンジュルムについては「まだいたか!」というのが感想です。
把握したはずです。十分に吟味して、あの子もこの子もすごいなと思ったところだったのに、まだいました。結論として、アンジュルムはどの子もすごい、いい。武道館楽しみです。以上です。

 GWの中野で川村文乃さんと段原瑠々さんを見てツイートしました。